母乳は学力を高める?母乳育児のメリットを最大化するコミュニケーション型授乳

母乳育児のメリットは多くあることが分かっています。

赤ちゃんの免疫力が高まる、肥満のリスクが低下する、代謝の負担が少ない、アレルギーを起こしにくいなどです。さらに母乳は、赤ちゃんの成長に応じて最適な成分に変化したり、赤ちゃんの唾液から必要な免疫を把握し成分を調整するなど、驚くほどきめ細やかに生成されます。

母体にとっても産後の回復を早めたり、乳がんや糖尿病のリスクが低下するなどのメリットがあります。また、衛生的で手間がかからないことも利点です。

母乳の成分に近づけたミルクは多数ありますが、現代科学では未知の成分が重要な役割を果たしている可能性もあります。

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授乳はコミュニケーション!

授乳は良好な母子関係の構築にも役立ちます。母乳が欲しいというのもコミュニケーションの一つです。赤ちゃんが母乳を欲しがるしぐさをしたら、すぐにこたえてあげましょう。そして欲しがるだけあげましょう。……というのが原則ですが、授乳を始めてしばらくは痛みが伴うことが多いので、抱っこなどであやしながら無理のない範囲で応じましょう。

赤ちゃんはおっぱいをくわえていてもずっと吸っているわけではないそうです。30秒くらい吸って、15秒くらい休むそうです。そうするとお母さんは揺らします。ミルクでも同じだそうです。揺らさないと再開が遅くなるそうです。2か月くらいになると15秒くらい吸って7~8秒休むというようにちょっとペースが上がります。さらにお母さんに揺らしてえないと声をあげて、かまって欲しがるそうです。(『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』)

空腹の時だけではなく、不快感がある時や不安な時にもおっぱいを吸いたがることもあります。さっき飲んだばかりでしょ……と思わず、できる範囲で安心させてあげましょう。

授乳中は会話をするような気持で赤ちゃんをみつめましょう。(できる範囲で)

母乳育児で学力は高くなるか?

母乳育児でIQは向上するのでしょうか。 母乳でIQが向上することを示唆する研究結果は数多くあります。 しかし、個人的にはあまり大きいな影響はないと考えています。

アメリカではIQが高いほど母乳育児をするため、 「母乳でIQが向上する」という調査結果であっても、遺伝の影響を統制すると、母乳によるIQへの影響は見られなくなることもあります。

遺伝の影響を統制したり、IQと母乳育児に相関がない国での調査結果として 「母乳でIQが向上する」 という研究もあるので、母乳育児がIQに与える影響は少しはあるかもしれません。しかしながら、学年最下位の子が学年トップになるような劇的な効果は期待できません。(IQは、遺伝の影響も大きいです。)

『「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育』には、生後6か月まで母乳だけで育てることが子供のIQを高めるとあります。『0歳からの教育』には、生後1ヵ月に多くの母乳を与えられた子供は知能や運動能力が高いとする調査や、母乳量が多いほど脳が発達したという調査を紹介しています。『最高の子育てベスト55』には、母乳の期間が1ヵ月増えるごとに、子供の知能指数が1/3ポイント上がるとあります。『発達障害の改善と予防』は、母乳で長く育てられた成人ほど高学歴で高収入というデータを紹介しています。

母乳育児がIQを高めるとしても、母乳育児の何が影響を与えるのかはわかりません。母乳の成分なのか?スキンシップなのか?

成分としては、アラキドン酸(ARA)が配合されているミルクであれば母乳育児と同じ効果が得られるという説があります。(現在、日本で発売されているミルクのほどんどに配合されているようです)

ミルク育児の方は、スキンシップをとりつつ、 アラキドン酸(ARA) 配合のミルクを与えるようにすればよいのではないかと思います。

母乳育児がストレスにならないように注意

母乳が出る状態であっても、飲むのが上手でない赤ちゃんだと十分に飲めないこともあります。授乳の仕方を変えたり、赤ちゃんの成長によって解決することもあります。

授乳中に激しく痛い場合は、赤ちゃんが上手にくわえていない可能性が高いです。また、正しくくわえていないと、その時は耐えられてもいずれ激しい痛みとなったり、切れて出血したりします。赤ちゃんが一時的に泣いても正しい形でくわえられるまで何度でもやりなおしてください。

泣いたら母乳をあげるのではなく、泣く前に授乳をした方がやりやすいでしょう。口に手を触れる、口を動かす、おっぱいを探すしぐさをするなど、欲しがっているサインが見られたら授乳しましょう。おっぱいは、吸われることで分泌が増えます。最初はなかなか出ませんが、たくさん吸ってもらうことで量が増えていきます。

母親のストレスは赤ちゃんの脳の発達に悪影響なので、ストレスを持ちながら母乳育児をするのであれば、メリットとデメリットのどちらが大きいかはわかりません。また、母体の状態や赤ちゃんの状況によっては、ミルクを導入した方がいい場合もあるでしょう。

自分の子供以外にも授乳するコミュニティがあった大昔ならいざ知らず、現代社会ではミルクが強い味方です。厚生労働省の調査によると完母の方は、生後3か月後は4割程度、半年では3割程度です。それでもみんなちゃんと育っています。何がなんでも母乳とこだわらず、ミルクも活用しながら、心穏やかに育児をしましょう。

ミルク育児については「ミルクが自尊心を育むかも?ミルク育児の科学的なメリット」へ。