絵本の読み聞かせで学力やIQは上がらない!1歳で絵本を読まない、聞かない、めくりたがるは普通

幼児健康度調査によると、子供が普段している遊びとして絵本を挙げた親は、12年の31%から22年には56%に増加。ちまたに流布する、賢い子を育てるには絵本!という都市伝説が親を絵本に駆り立てているのではないでしょうか。

絵本を読まないといけない、と強迫観念がある方は肩の力を抜きましょう。

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絵本の読み聞かせをしても頭がよくなることはない

絵本を読めば賢くなるといわれますが、何の根拠もありません。

頭がいい人は小さい頃に絵本の読み聞かせをたくさんしてもらっているという傾向はあるかもしれません。しかし、それは単なる相関関係で、因果関係は逆だと思います。つまり、頭のいい子が絵本に興味をもつ傾向にあるということです。

もともと頭のいい子が興味を持って絵本に接すれば学習効果は高いでしょう。一方で絵本に興味がないのに親ががんばって読み聞かせをしても、身になりません。

また、絵本には想像力や好奇心、感性を豊かにするという説もありますが、それも何の証拠もありません。大事なのは、子供の興味のあることをさせることです。

0歳・1歳で絵本を読まなくても絵本好きになる

1歳くらいの子供が絵本を読まなかったり、聞かなかったり、すぐにめくろうとしたりするのは、珍しいことではありません。

うちの子も1歳の時は、絵本を親に手渡すだけで、まったく聞こうとしませんでした。中身より、物体としての本に興味があったようです。

わが家では買う絵本を選ぶのは親ですが、買ったら絵本棚に置いておくだけです。読む本を選んだり、絵本を読もうかと誘うこともありません。読まないなら読まないで別にいいと思っています。

そんな環境でも、1歳まで絵本の中身に興味がなさそうだったうちの子が、2歳になると自然と興味を示すようになりました。自分なりに音読(文字は読んでおらず、暗記もしてないのですが、覚えていることや絵を見て何やら言っている)しています。

無理に絵本を読み聞かせなくても、 環境だけ整えて子供の興味に任せていれば、自然と興味を持つタイミングがあると思います。少なくても、無理やり聞かされて絵本が退屈なものとして記憶に刻まれることはありません。

絵本より大事なことは友達と遊ぶこと

子供は親より同世代の子供から学習するように遺伝的にプログラムされています。

移民の子供は親の母国語よりも、遊び友達が話す現地の言葉に堪能になります。移民の親がどんなに母国語の絵本を読んでも、子供は現地のお友だちの言葉の方に堪能になるという事実を考えれば、絵本は根本的に重要なものではないことは明らかです。

そもそも絵本がない時代も人類はちゃんと知性を身につけていたのです。絵本がなくても知性は身に付きますが、子供の集団に属さずに知性を身につけることはできません。

日中は絵本を読むよりも同世代の子供がいる場所にでかけましょう。

⇒詳しくは「非認知能力は家庭内では伸ばせない!親ができることは?」へ

絵本は朝や夜など外に出られないときに読もう

指先を動かすと頭がよくなるといわれていますが、実は体を動かす遊びが、脳を発達させ、非認知能力をのばすと考えられます。

動きの型が決まっているスポーツよりも、自由な遊びをしている方が自然と複雑な体の動きになり、体力も付き、脳が複雑な処理をするので、知性が伸びます。

親が絵本を読む時に気を付けること

子供は親から多くを学ばないので、親が絵本を読む時には、知育など考えず親子で楽しい時間を過ごすことを第一に考えた方がよいです。

とはいえ、楽しく、かつ、学習効果が多少なりとも高くなる方法を知りたい方のためにポイントを解説します。

1.子供の興味や主体性を大切にする

子供が今、絵本を読まないからといって、その先も本に興味を持たないとは限りません。絵本を読まないことで人生が決まることはないので、他のことに興味があるなら、それを尊重してあげましょう。

言葉を覚えさせたいなら、コミュニケーションをとればいいだけです。絵本がない時代でも、人類は言葉を覚え、知識を身につけてきました。子供が興味を持ったものの話をすれば、子供は親からも言語を習得しやすくなります。

親子のよい関係は、子供を尊重することが基本ですし、興味のないことをさせるのは学習効率が低いか、度が過ぎると本が嫌いになるかもしれません。

2.子供の興味のあるものが画かれた絵本や図鑑を買う

絵本自体に興味がなくても、自分の興味のあるものが描かれた絵本や図鑑なら気に入るかもしれません。

2歳くらいになって、子供の興味のあるものが出てきたら図鑑を買うとよいと思います。

救急車やパトカー、クレーン車、ミキサー車などに興味を持っていたうちの子に乗り物の図鑑をあげたら、よく見ています。

3.一方的に読まず、コミュニケーションをとる

インプットよりアウトプットの方が学習効果が高くなります。

絵本に関する調査でも、親が一方的に読むよりも、コミュニケーションをとりながら読んだ方が学習することが分かっています。

聞いてもらおうと親ががんばるより、興味のおもむくままに子供自身に発言させ、それに反応してあげるとより楽しく、かつ、身になる絵本タイムになります。

2歳のうちの子の場合、親が読むのを大人しく聞くよりも、絵のなかで知っているものの名前を言ったり、覚えたフレーズを自分で言うことが多いです。

親が読む間もなくページもさっさとめくりますが、好きにさせています。親があれこれ言うよりも、子供が主体的にかかわって欲しいからです。

4.子供にテストをしない

いくらコミュニケーションをとるがよいといっても、子供が理解しているか試すような質問はやめましょう。これはなに?とか。

もちろん親が知らなくて子供が知っているかもしれないことを聞くのはよいのですが、子供が分かっているか確認するための質問なら止めましょう。

絵本は勉強ではないので、テストをするのはおかしいことです。そういう質問をすると、子供は試されているような気になって、つまらなく感じるかもしれません。

また、子供が他の何かに集中していれば、その集中を邪魔してしまいます。

5.絵本棚を用意する

できれば絵本棚(ディスプレイタイプのもの)をリビングに置くといいです。目に入る機会が多ければ、興味を持つきっかけも増えます。

普通の本棚と絵本棚のどちらの方が子供の興味をひくかはわかりません。1歳児でも、背表紙で本を判別することはできるので、絵本棚のスペースがなければ普通の本棚でもいいかもしれません。

しかし、絵本棚のよさはとりやすさと片付けのしやすさにもあります。普通の本棚は 、幼児にはとりにくいし、しまいにくいです。絵本棚のディスプレイ部分をパンパンにせずに、ゆとりをもたせておけば、1歳、2歳児でも棚にしまいやすくなります。

わが家では1歳後半くらいから自分で片付けることが増えてきました。とはいえ、2歳の今も親が片付けることの方が多いのですが。

もちろん片付けも強制しませんが、2歳を過ぎたくらいから、1冊読んだ後にもう1冊持ってくるときは、読んだ本を片付けてから次の本を持ってくるように声をかけてもいいかもしれません。

(参考)
【0歳~1歳】写実・写真の絵本が脳によいという説
【0歳~1歳】うちの子が好きだった絵本!イチオシは『せんべ せんべ やけた』
【0歳~1歳】は厚紙絵本(ボードブック)がおすすめ!『あかちゃんはーい』ほか