十分な睡眠が知能や体を育むのは言うまでもありません。『十分な睡眠をとれている赤ちゃんは、「記憶力」「集中力」「適応力」が育ち、「ストレス」「かんしゃく」「ぐずり」が少なくなります(『いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる最高の子育てベスト55』)。
『子どもの夜ふかし 脳への脅威』では、睡眠時間が長い子供の方が海馬が大きいという調査結果を紹介しています。海馬は記憶する時に重要な役割を果たす脳の領域です。
しかし、日本の乳幼児の睡眠時間が他の国と比較してかなり短いことをご存知でしょうか。日本は子供の自殺率も高く、睡眠との関連を指摘する専門家もいます。
日本の乳幼児の睡眠時間が短いのは、添い寝文化の影響が大きいと考えられています。大人の生活時間にひっぱられ、子供の就寝が深夜になってしまうのです。
睡眠が足りているのか、子供の様子から判断するのは難しい場合もあります。「早寝早起きと言われても子供が寝ない!我が子は睡眠時間が短くて大丈夫みたい」と思っていても、もしかしたら子供は眠りたくても寝られないのかもしれません。
子供は十分な睡眠がとれていないと、疲れすぎて眠れなくなってしまいます。むしろテンションが高くなり、眠そうに見えないこともあります。
アメリカ国立睡眠財団(National Sleep Foundation)は、各年齢の推奨睡眠時間を次のように設定しています。
- 0~3ヵ月
推奨:14~17時間 非推奨:11時間未満、19時間超 - 4~11ヵ月
推奨:12~15時間 非推奨:10時間未満、18時間以上 - 1~2歳
推奨:11時間~14時間 非推奨:9時間未満、16時間以上 - 3~5歳
推奨:10時間~13時間 非推奨:8時間未満、14時間以上 - 6~13歳
推奨:9時間~11時間 非推奨:7時間未満、12時間以上
※推奨、非推奨に含まれない範囲はグレーゾーンで、適切な可能性もある
子供によって必要な睡眠時間が異なるので、目安の睡眠時間より短い子もいるでしょう。ただし、同財団では、ほとんどの子供は上記の睡眠時間が必要としています。小学生までは19時から20時までに就寝する早寝習慣がよいそうです。
環境が整っていて寝ないのであれば個性と考えられますが、大人の生活が優先になっている家庭も多いのではないでしょうか。子供が十分に眠れていない場合は、次のように子供の生活リズムに大人が合わせてみましょう。
- 家族全員が早寝をする
親が起きていれば子供も寝ない!帰宅が遅い家族は待たない。 - 夕方は照明を暗くする
明るさを調整できない照明の場合は、照明を間引くと昼間は自然光であかるく、夕方は暗くなります。 - 夕方以降スクリーン(テレビ・スマホ・タブレット)を見せない
もちろん大人も見ない! - 睡眠中は部屋を暗黒にする
豆電球は意外と明るいので消しましょう。 - 食事の時間を一定にする
- 食事のリズムが睡眠と関連します。2歳くらいからはなるべく決まった時間に食事をするようにしましょう。
そうは言っても、共働きの場合は特に19時から20時までに就寝するなんて難しいですよね。その場合は、しっかりと昼寝をして、睡眠不足にならないようにしたいですね。
また、小さい子供は昼寝をしないと疲れすぎて逆に夜に眠ることができないことがあります。月齢の小さい赤ちゃんは連続して起きていられる時間はとても短く、疲れて眠りたいタイミングを見逃すと、ぐずりが激しくなり眠るのがさらに困難になります。
6ヵ月までの赤ちゃんについては下記も参照ください。
⇒生後0ヵ月から半年の赤ちゃんの睡眠を整えるためにやるべきこと