赤ちゃんに早期英語教育をすべきか?バイリンガルにしたいなら3歳~6歳から徹底的に!

乳幼児の知育全般

親は赤ちゃんに母国語で話しかけるとよいといわれます。両親がそれぞれ別の言語を話す場合は、それぞれの母国語で話しかけた方がよいようです。

家庭の外で日常的に外国語に接触する場合は、親が教えなくても子供は自然と外国語のネイティブになります。いわゆるバイリンガル(マルチリンガル)です。

バイリンガルの人は認知能力や創造性が高いという研究結果があります。『0歳からの教育』では、バイリンガルの高齢者は1カ国語しか話さない高齢者より、認知症の発症年齢が数年遅いという研究結果を紹介しています。

2つの言語に触れることで混乱が生じて、いずれの言語も十分に習得できないのではないかという懸念は、多くの研究で否定されています。

言語の獲得には臨界期(その時期を過ぎると、能力を獲得することが極めて困難になる時期)があり、「バイリンガルの脳回路」をつくるには7歳頃がボーダーになるそうです。

アメリカに移住した中国人と韓国人の英語能力を調査したところ、7歳までに移住した人はネイティブ同等で、8歳を過ぎて移住した人は英語習得の能力が急速に落ち、15歳をすぎると移住した年齢と英語能力の相関関係はなくなったそうです。(『幼児教育と脳』)

7歳までに学習した人は、言語ごとに脳の回路ができあがり、各言語をスムーズに処理できるそうです。何歳からでも外国語を学習することは可能ですが、7歳をすぎると母国語で作った脳の回路を使って外国語も話すことになり、多少混乱することがあるようです。

『幼児教育と脳』では、脳に各言語の回路をもった「真のマルチリンガル」にするためには、「遅くても幼稚園や保育園から始め、小学校低学年までに集中して教育する必要がある」「教える側はネイティブ英語を話す人にすべき」といいます。

一方で、英語を話せる夫婦ほど子供に英語教育をしない、という話を聞いたことがあります。そういう夫婦は「英語なんて必要な時に勉強すればいい。自分もそれで習得できた」と楽観的に考えていることが多いようです。

逆に英語に苦手意識があったり、英語の習得に苦労した人ほど子供の早期英語教育に熱心だったりします。そして皮肉なことに、早期教育を一切せず楽観的にそだった子供は高校生や大学くらいで英語を習得し、一方、早期教育を受けた子供は英語が苦手なまま大人になったりします。

これも遺伝を考えれば不思議なことではありません。世の中には、言語を容易に習得する才能に恵まれた人と、そうでない人がいるからです。高校や大学から留学してネイティブ集団と問題なくディスカッションできる人もいれば、同じ時期から留学してもネイティブとのコミュニケーションに限界を感じる人もいます。

言語の才能がある場合は何歳から始めても、それこそ独学でもそこそこ習得できます。そうでない場合は、成長してから高額な留学費用を払うよりも、幼少期に集中して学習した方が費用対効果はずっとよいです。

日本でありがちな週1回1時間程度のレッスンや、家でDVDを見たり音声を聞いたりする早期英語教育は、バイリンガル教育とは別物です。

どのくらい英語に言語に接触すれば、バイリンガルになれるかというデータはなく、個人差があります。母国語を覚えるには約1万時間のインプットが必要という説もあります(『0歳からの教育』)。

いくら個人差があるといっても、たいていは週1回1時間程度で言語を習得することはできないでしょうし、一方通行の映像や音声からは2歳くらいまでの幼児はほとんど学習しないことが分かっています。

日本でバイリンガル教育をやるならば、インターナショナルのアフタースクールや学童のようなところに、平日毎日のように行かせるくらいでないと効果がないでしょう。子供が3~6歳くらいになったら、本気でバイリンガル教育をするのか決めるといいと思います。もちろん、経済的、時間的なゆとりがあれば0歳から始めてもいいのですが……。

バイリンガル教育をしつつ、日本語も大事にしたいという方は注意してください。バイリンガルだからといって、それぞれの言語を同じように堪能に話せるとは限りません。子供は友達と遊ぶようになると、親よりも同世代のコミュニティの中で言語を覚えるようになります。『子育ての大誤解』では、家の外のコミュニティで覚えた言語は堪能なのに、親の母国語は家庭の話題をカバーする限られた語彙しか知らないというバイリンガルの例をいくつかあげています。

子供をバイリンガルにするために海外に行こうとか、家の外ではすべて英語環境で過ごそうと思う人は少ないかもしれませんが、日本語を話すコミュニティに所属させないと、日本語をネイティブなみに話せるようにはならない可能性があります。

以前にテレビを見ていて、バイリンガルタレントのベッキーさんが、「下痢」という英単語が出てこなくて意外に思ったことがありました。もしかしたらベッキーさんの英語の語彙は、自宅の会話をベースにした限られたものなのかもしれません(もちろん自宅でも「下痢」は話題になるでしょうが、「いつでも使える語彙」と「知っているけど使えない語彙」の中間くらいに位置していたのかもしれません。会話の中でストレートに下痢と言うことはあまりないので、使う頻度が低かった可能性もあります)。

英語教育が子供の育ちを阻害するという意見も一部でありますが、遊びなどの活動の中に自然とコミュニケーション言語として英語が組み込まれているプログラムであれば、何もデメリットはありません。

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バイリンガルになれなくても英語をやるべき!

実際に完全なバイリンガル環境を用意できる人は多くないと思います。しかし、何もバイリンガルになれないからといって、英語教育が無駄ということにはなりません。

今の子供は、学校で英語の授業が始まる前に何らかの英語教育をたいていは受けています。何もやっていないと、他の子が実際以上に優れて見えてしまい劣等感を感じる子もいるかもしれません。

頻度の少ないレッスンや一方通行の教材も、英語に慣れるというメリットはあります。子供が楽しんでいたり、好きな仲間がいたりする場合は、それでOKという考え方もあります。

中途半端な早期英語教育は脳の言語野の発達に悪影響があるかもしれないという説もあります。脳の言語野の発達には文法が重要で、日本語と英語では文法が大きく異なるためです。(『発達障害の改善と予防』)

しかし、ちょっとレッスンを受けたり、楽しみながらDVDを見る程度なら言語野が混乱することはないでしょう。実際に、海外には子供の頃からテレビを見て、英語を覚えたという人はたくさんいます。子供が興味を持っていないのに、単語や定型文を長時間かけて覚えこませるようなことをしなければ大丈夫でしょう。

バイリンガルは諦め、ちょっとした英語環境という意味でおすすめなのは、英語を使って何らかの活動をする習い事とDVDです。日本人が英語を学ぶ上での最大の困難は、発音を聞き取れないことなので、子供が好きなDVDがあれば、繰り返し見て、発音には親しむ効果を期待できます。

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