優れた保育士は育児のアドバイスはしない

子供が生まれるまでは、保育士さんは子育てのプロだと思っていたのですが、誤解でした。保育士さんは、あくまで保育のプロであり、子育てとは違うのです。

もし、保育士さんから的外れなアドバイスや、嫌なことを言われても、無知がゆえと聞き流しましょう!

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保育士さんは育児のプロではない

発達に応じた子供への接し方や声のかけ方、遊び、子供どうしの関係などは、保育士さんから、その経験に戻づいたアドバイスが聞けると思います。

しかし、保育士が「集団保育のプロ」であり、「子育てのプロ」でないことは心にとめておく必要があります。子育て全般に関して専門的なアドバイスができるわけではないのです。

子供のいない保育士さんなら、新生児育児をはじめとする24時間体制の育児の経験はないでしょうし、そもそも親としての経験がありません。集団での保育は、家庭での子育とは違うので、保育士さんのアドバイスが参考にならないケースもたくさんあります。

実際、出産した保育士さんからは、「自分で子育てするのは保育園と全然違う」とか、独身の同僚(保育士さん)に「もちろん相談しない」という話を聞くことが多くあります。

保育園と自宅で同じ対応をしても、子供の様子が異なることはよくあることです。例えば、保育園では昼寝するのに家ではさっぱり、保育園でしっかりしているのに自宅ではグダグダ、保育園ではよく食べるのに家では…、とか。

子供にとっても、保育園という外の世界は自宅とは違うものです。他の子供のことも気にします。保育士に対して親と同じように甘えられないことも分かっています。保育士は親とは立場の違う人、保育園での子供は別の顔をしている、ということを覚えておきましょう。

相談はできるが、答えを求めてはいけない

保育士さんが子育てのプロでないからといって、育児の相談ができないわけではありません。むしろ、優れた保育士さんは、優れたカウンセラーでもあります。優れたカウンセラーは、自分の経験してないことであっても共感や理解を示すことができます。

その際に、保育士さんに答えを求めてはいけません。どうするか決めるのは親の役割です。保育士さんは、話を聞き、親が自ら決定できるようサポートしてくれます。まさにカウンセラーと同じです。

保育所保育指針解説書には次のようにあります。

‟保育所におけるソーシャルワークでは、一人一人の保護者を尊重しつつ、ありのままを理解し受け止める「受容」が基本的姿勢として求められます。受容とは、不適切と思われる行動等を無条件に肯定することではなく、そのような行動も保護者を理解する手がかりとする姿勢を保つことです。援助の過程においては、保育士等は保護者自らが選択、決定していくことを支援していくことが大切です。”

万一、保育士が親の状況を尊重せずに子育てについて否定的なことを言ったり、勝手な決めつけをするようなことがあったら気にしないことです。彼らはそもそも子育てのプロでも親でもないのですし、そういう方は、指針にも反する方なのです。関わるのは時間の無駄です。

通常は、どのような相談であっても否定的な態度はとらないはずです。話を聞いてもったり、励ましたりしてもらうだけで元気になれることもありますよね。

保育士さんは子供の話を聞けるくらいなので、聞き上手でコミュニケーション能力が高い方が多いです。笑顔で励ましてくれて、元気をもらえると思います。孤独なワンオペ育児になりがちな現代のお母さんには心強い味方です。

保育園に通ってなくても保育士さんに相談できる!

幼稚園に行く方は、保育園は縁がない、と思っているのではないでしょうか。

実は保育園は開かれた存在として、地域の子育て家庭に対する支援をするという役割をもっています。保育園に通っていなくても参加できるイベントや園庭開放など、調べると結構あるものです。

ただ、園や地域の掲示板だけで告知しているような場合もあって、情報を収集しようにもどこで調べたらいいのか分からないケースもあります。近くの保育園に電話で聞いてみたり、ママ友の情報ネットワークも活用するとよいでしょう。

忙しそうでなかなか相談できないという方もいると思いますが、遠慮することはないんです。保育士は、「児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と児童福祉法で定められて、保護者へのアドバイスも保育士さんの仕事なんです。

とはいえ、「通常業務である保育に支障をきたさない範囲で」「限界を超えて支援を行う必要はない」ため(保育所保育指針解説書)、保育園の運営に支障が出るような状況であれば、日を改めるなど保育士さんから提案があると思います。また、内容によっては「主任が対応します」ということもあるでしょう。

子育てのプロって誰?

保育士が違うとすると、他に子育てのプロに相当する職業はあるのでしょうか?

日本では一般的ではありませんが、ナニーという職業があります。親の代わりに子供の面倒を見る職業で、イギリスでは国家資格になっています。住み込みで面倒をみることも多いようで、日本の保育士と違い、家庭での育児のプロと言えるでしょう。日本でも、ナニーが書いた有名な書籍の一部を翻訳版で読むことができます。

おそらく日本でもっとも有名なナニーは、ネントレでおなじみのジーナ・フォードさんではないかと思います。我が家でも、ジーナさんのスケジュールを参考にしたところ、赤ちゃんが機嫌よくすごせて、寝かしつけも楽になり(寝かしつけはジーナさんのやり方に従っていませんが)、本当にすごいなと思いました。どれだけの経験を重ねたらこのようなスケジュールを導き出せたのか、ひたすら感嘆していました。

もう一人の著名ナニーは、イギリスのテレビ番組で活躍したジョー・フロストさんです。日本でも同番組がBSで放映されたので、見たことがある人がいるかもしれません。ジョーさんの書籍も、豊かな経験に基づいていて、文化の違いはありますが参考になるところが多くありました。