ワンオペ育児の最初で最大の試練は「退院」。退院さえ乗り越えれば、あとは何とかなるといっても過言ではありません。出産・育児に向けて準備すべきものはたくさんありますが、まずは無事に家にたどり着く手はずを整えましょう!
病院がものすごく近い場合を除いて、基本的にはタクシーで帰ることになると思います。生まれて間もない赤ちゃんは外気に接触するだけで疲れてしまいますし、免疫も弱いため、公共の交通機関は避けた方がいいでしょう。
考えるべきは、病院からタクシーまでの道のりと、タクシーから降りて自宅までの道のり。ひとりならなんて事のないワンマイルが、生まれたての赤ちゃんがいるだけで、果てしない試練の道に変わります。
退院時には、ひとりではとうてい抱えきれない荷物とともに、新生児も抱えて病院を後にしなくてはいけません。病院側も、産婦がひとりで退院するとは思っていないでしょう……。
荷物の量はどのくらいあるか
持ち帰る荷物はどのくらいでしょうか。
・入院のための荷物(タオル、着替え、おむつなど)
・祝い品(病院、親せき・友人から)
・育児関連のサンプル・パンフレット
私の場合は、荷物のリストラをしたものの、入院関連の荷物で大きいボストンバック1つ。お祝いとサンプルやパンフレットで紙袋1つになりました。新生児を抱えながら持ち帰るのは不可能なボリュームです。
そして最も大事な赤ちゃんも運ばないといけません。生まれたてはふにゃふにゃで、とてもはかない存在です。できればおくるみにくるんで両腕で抱っこしたいところ。そうすると荷物はまったく持てませんね。
1.人を手配する
これができれば苦労はないと思いますが、退院だけは誰かに協力してもらった方がいいです。ただ、自然分娩だと退院日がいつになるのか出産するまで分からないので、なかなか調整が難しいのが悩ましいところ。
家族や知り合いに頼れない場合は、産後ヘルパーやベビーシッターに送迎補助を依頼することも検討できます。荷物持ちをお願いできればベストですが、対応業務外ということで断られたら、赤ちゃんをお願いして荷物は自分で持つという選択肢もあります。事前にサービス内容や料金、予約方法を確認しておくとよいでしょう。
後は、ハイヤーを手配するという手もあります。ハイヤーに待っていてもらい、赤ちゃんを抱えながら何度か往復すればすべての荷物を積み込めるでしょう。事前に相談したら、運転手さんが荷物の運搬を手伝ってくれるかもしれません。チャイルドシートを用意している会社もありますよ。
2.病院で赤ちゃんを預かってもらう
病院が自宅の近くの場合で、病院がOKであれば、赤ちゃんを病院に預けて荷物を持ち帰った後に、赤ちゃんとふたりで家に帰るのがよいと思います。産後の体に鞭打って、病院と自宅を行き来するのは大変かもしれませんんが、すべて持って1回で済ますよりも安全だし楽です。
3.抱っこひもを使う
新生児から使用できる縦抱きの抱っこひももありますが、生まれたての赤ちゃんには首が不安定なのでおすすめしません。新生児からOKとなっていても、「体重3キロから」などというものも。退院時に、指定の体重を超えているかなんて分からないですよね。
横抱きの抱っこひもは、赤ちゃんの首に負担をかけないでしょう。ただし、片手は赤ちゃんを支えなくてはいけないので、荷物は持てて1つだけだと思います。デメリットとしては、横抱き抱っこの期間は短いので、退院のためだけに買うのはもったいないという点です。
4.スリングやラップなどを利用する
慣れている、もしくは、病院で教えてくれるのであればおすすめです。そうでない場合は、入院中にひとりで練習することになるので止めたほうがいいと思います。事前に助産師さんに使用方法を教えてくれるか聞いてみるといいでしょう。私は退院時には使用しませんでしたが、首がすわるまで散歩や自宅で活用しました。
5.ベビーカーを使用する
A型と呼ばれる、首すわり前から使用できるベビーカーでも、対象が生後1ヵ月からで新生児には使用できないものが多くあるので注意です。
ベビーカーは高額なだけでなく、場所もとります。気軽に何台も買うものでもないので、退院のためだけにベビーカーを選ぶのはもったいないかもしれません。0ヵ月ではほとんど外出しないので、退院さえしのげばベビーカーの選択肢が広がります。
レンタルでちょうどよいものがあれば、それでもいいかもしれませんが、ベビーカーの場合、赤ちゃんが受ける振動が心配です。どんなにクッション性があっても抱っこよりは確実に振動が伝わります。平らな道でそろりそろりと利用する程度にして、一般道をガシガシ進むのはやめた方がいいいかしれません。
また、ベビーカーは荷物を積めるので便利だけど、ハンドルに荷物をかけるフックは、転倒する危険があるので使わない方がいいでしょう。
チャイルドシートとの組み合わせで、0ヵ月から使用できるトラベルシステムと呼ばれる ベビーカーもあります。車を持っていれば、退院後も無駄になりません。シートベルトで固定できるチャイルドシートなら、タクシーに乗せるときも安心です。ただし、チャイルドシートも月齢が1ヵ月から、などとなっている場合があるので、購入前にチェックが必須です。ベビーカーに装着せず、チャイルドシートだけでも持ち運びできる場合も、それだけで数キロの重さがあるので、産後の体で長時間もつのは厳しいと思います。ベビーカーと組み合わせて使用するのがよいでしょう。
ベビーカーのデメリットはいくつかあります。まず、陣痛が始まっているときに持っていくのは大変ということ。入院中に家族に持ってきてもらえるといいのですが……。また、タクシーに乗る時に、赤ちゃんを抱えたまま片手で畳まないといけません。畳みさえすれば、運転手がトランクに乗せてくれるでしょう。家で開閉の練習をしておくといいです。トラベルシステムを利用する場合は、チャイルドシートを固定してからベビーカーを載せればいいですね。
6.クーハン(クーファン)で運ぶ
クーハンとは、寝返り前の赤ちゃんが使用する小さな簡易ベッドです。運べるように持ち手がついている場合がありますが、転落事故が多いので赤ちゃんを寝かせたまま運ぶのは家の中でもやめましょう。
親がクーハンで赤ちゃんを運ばないよう気を付けても、置いてあれば、その他の人が危険な使い方をする恐れがあります。
クーハンから落ちる、クーハンごと落とすなどして、頭がい骨の骨折など重大な怪我を負った例もあります。見た目がかわいいので写真撮影用にはいいかもしれませんが、使用期間も短く、危ないので全くおすすめしません。
7.荷物を減量する
抱っこひもならバッグ1つ程度、ベビーカーならそれにプラスして荷物入れに入る程度まで荷物を減らしましょう。家族がお見舞いにきた時に持ち帰ってくれるのであれば、それに越したことはありません。病院からのお祝いなど、持ち帰る荷物があれば早めに受け取ることができるよう調整しましょう。退院当日にもらっても困るので。
誰の協力も得られない場合、急ぎで必要でない荷物を後日取りに行ったり、宅配便を利用できるか病院に相談してみましょう。無理な場合は、荷物の量によっては、サンプルやパンフレットなどは返却・処分してしまいましょう。
お祝い品はありがたくても、かさばる場合は困りもの。親戚・友人が無邪気に大物プレゼントを持ってきた場合は、「大変申し訳ないが、持ち帰れないので、退院後に宅配便を手配します」などと謝罪していったん持って帰ってもらうとよいと思います。
花や果物、お菓子などは、あげるか捨ててしまいましょう。写真にとっておけば、帰宅後に見返して温かい気分になれるはずです。
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