1歳でやるべき知育

1歳の前半の脳は、引き続き脳幹という部分を主に発達させていきます(→生後半年までは「0ヵ月から6ヵ月までにやるべき知育」を参照)。

1歳を過ぎると赤ちゃんにとって親はますます特別な存在となり、2歳頃になるまで四六時中まとわりついてきたり抱っこを求められることもあるでしょう。

子供の自己主張が激しくなり、 育児がつらくなってくる方もいるでしょう。その場合は、プレスクールや保育園に通うことも検討してはいかがでしょうか。保育園は知育に最高です。
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「できる」ことを目指さない

1歳を過ぎると急激にできることが増えていきます。積み木を積んだり、パズルをやったり、型はめをしたり、洗濯ばさみをはさんだりするなど、自分の子供ができないことを器用にやる同じ月齢の子を見て焦りを感じる方もいるかもしれません。

赤ちゃんには驚異的な潜在能力があるので、やらせようと思えば、きっとあなたの子供もできるようになります。支援センターであるお母さんが、1歳すぎの赤ちゃんに積み木を指差して注目させ、次にどうしたらいいかひとつひとつ教えている様子を見たことがあります。そのかいあって上手に積み木を積むようになり、周りのお母さんは上手だね、我が子はまだできなくて……、などと感心していました。

しかし、このように教え込まれた赤ちゃんは、少し大きくなると積み木で遊べなくなる、と言われます。言われたとおりにやるという癖がついてしまい、自分でやろうという気持ちが育たなのかもしれません。そうならないように、赤ちゃんの自主性を尊重し、その時々のやりたいことを見守るようにしましょう。

赤ちゃんが興味をもつ段階で自由にやらせれば、すぐにできるようになるだけでなく、主体的に独創性豊かに遊びを展開することでしょう。

大事なのは「できる」ことではなく、「試行錯誤」することです。たくさん失敗して考え、工夫する機会を与えてあげましょう。マウスの実験では、初期の失敗が多いほど成績が伸びることがわかっています(『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』の池谷氏の研究チームの実験)。

ただし、挑戦する意欲がわくように適度な難易度のものを用意してあげましょう。後は、赤ちゃんにやるかやらないかまかせましょう。自分で「やろう」と思う活動をすることで脳はより学習します。興味が無いようであれば、まだ取り組む時期ではありません。

また、赤ちゃんが何かできそうにないこと(ねじって開けるタイプのふたを外すなど)に取り組んでいる場合でも、すぐにやってあげるのではなく、しばらく見守りましょう。諦めたり怒りだしそうな時に声をかけてもいいですし、試行錯誤してこれは頼んだ方がよいと判断すると、赤ちゃんが自ら親に助けを求めることもあるでしょう。

この頃の子供は、1つのおもちゃで長くは遊びませんが、気に入ると延々と手で持っていることはあります。

「自己効力感」を伸ばす

「自己効力感(私ならできると思う!)」という感覚を伸ばしていきましょう。自己効力感が高い子供ほど、情緒が安定し、粘り強く努力する可能性が高くなります。何を着るか、どう食べるか、何で遊ぶかなど、子供自身のことはなるべく子供に選ばせてあげましょう。

1歳0ヵ月~1歳6ヵ月で取り組むこと

1.かんしゃく、イヤイヤに対応する

最大の変化は自我が発達し反抗期がやってくることです。日本では「魔の2歳」と言いますが、実際には1歳0ヵ月から1歳半までの間に反抗期が始まることが多いようです。ダメだと言うことをやるようになったり、思い通りにいかないとかんしゃくを起こしたするようになります。1歳を超えるとだんだんと他のものに気をそらすことが難しくなります。
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2.家の中を自由に探索させ好奇心を育む

多くの赤ちゃんは1歳0ヵ月から1歳半までに歩くでしょう。そして身長がぐんぐん伸び、昨日届かなかった棚に今日は届いたり、開けられなかったドアを開けていたりします。安全面を再チェックしましょう。立てるようになったら、洗面台で手を洗う準備をしてもいいでしょう。親のそばにいたがるので、台所を探索できるようにすると家事がしやすくなります。
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3.おすすめのおもちゃ&遊び

水への興味が増すでしょう。単純なつくりの水遊びのおもちゃを用意しましょう。なぐり書き、テープやシールを貼ったりはがしたり、砂場遊びも徐々に楽しむようになります。人形、バッグ、タイヤのあるおもちゃにも興味が出てくるでしょう。型はめの簡易版のポットン落としもこの頃の子供に人気のおもちゃです。

歩けるようになると本格的に公園デビューする赤ちゃんも多いと思いますが、公園によっては1歳の子供が楽しめる遊具がない場合もあります。むしろ商業施設の中庭にあるような、ゆるやかな階段の方が喜んで上り下りするかもしれません。幼児向けの小さな滑り台や赤ちゃん用の乗る乗り物、手押し車なども楽しむでしょう。機嫌よく一人遊びしている時は見守りましょう。
詳細は別の記事で捕捉します。

4.絵本

薄い紙の絵本も破らなくなってきます。絵本そのものでなく、内容にも興味がでてきます。長い話を集中して聞ける赤ちゃんもいますが、多くの赤ちゃんはひとつのことに集中している時間が短いので、テンポがよく短いものがいいでしょう。途中で飽きて聞かなくなっても気にしないことです。

5.家庭のルールを覚え始める

理解力が高まるとともに、理解に基づいた行動をするだけの運動能力がついてくるので、家族の一員として決まり事に従うことが増えてくるでしょう。例えば、ゴミを捨てたり、脱いだ服を洗濯かごに入れたり、ふきんで机を拭いたり、靴を玄関で脱ごうとしたりするでしょう。やりたいという意思が見えたら、なるべく子供が自分でできるように工夫したり、最小限の介助でできるようにしてあげましょう。

6.食事

好き嫌いやムラがでてきます。無理やり食べさせると、余計に食べなくなるのでやめましょう。大人の食事に興味が出てくるので、できる範囲で同じものを食べたり、大人の食事をあげたりしましょう。食べなくても、できるだけ幅広い食事を並べるようにしましょう(食べなければ大人が美味しく食べちゃいましょう)。食べることが嫌にならなければそのうち食べると気長に構えるといいと思います。
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保育園に通っている場合は、ご飯の時間を保育園に合わせ、なるべく一定にするようにしましょう。

1歳4ヵ月の時に我が家ではお箸に興味がでて渡さないとぐずるので、子供用のお箸を買いました。上手に使えないので、使いたいそぶりがある時は出すようにしていました。

1歳半近くなると手のコントロールが上手になってくるので、コップ飲みさせていない場合は、挑戦してもいいかもしれません。我が家ではコップ飲みが上手になり、あまりこぼさなくなった1歳5ヵ月の頃に、コップをメインにしました。洗い物が格段に楽になりました。

7.言葉

早い子は1歳前に言葉がでますが、話すことよりも理解していることの方が重要なので、言葉がでる時期は気にしないことです。1歳前後は、言葉を習得するうえで決定的に重要な時期です。子供の興味に合わせて話しかけてあげましょう。

赤ちゃんが指差しで興味のあるものを教えてくれたら、それが何であるのか教えてあげましょう。言葉を発する場合、「ママ」「ワンワン」などとはっきり発音することもあれば、言葉の一部だけを言ったり、母親にしかわからない独特の音で特定の物を表現することもあるでしょう。赤ちゃんが何に注目しているか注意して、反応してあげましょう。

1歳を過ぎると聞きなじみのあるいくつかの単語が分かるようになってきます。「手」という言葉を覚えたら、着替えや食事の時に「右の手」「左の手」と左右を言うようにすると、右、左を覚えやすいです。2歳前に左右の区別がついている子もいます。形や前後左右などの概念を把握する基礎は乳幼児期に形成されるので、生活の中で自然に興味をもつように話しかけましょう。

数や量を把握するのはもう少し先になります。1、2、3と言えても、量は把握していないでしょう。この時期に数を教え込む必要はありませんし、教え込もうとすれば害になる可能性もあります。お風呂から出るときに数を数えていたら自然に覚えたというような場合は問題ないでしょう。その場合も、数の概念でなく言葉の並びを記憶したにすぎません。

その他のポイントは、「生後0ヵ月から半年の赤ちゃんの言語能力を伸ばす語りかけ」と同じなのです。

8.洋服

1歳半までにはセパレートの服に切り替えましょう。ボタンはまだ付けられないので、ボタンのないTシャツやウエストがゴムになっているズボンが脱ぎきしやすくていいでしょう。脱ぎ方着方は「半年から1歳までにやるべき知育」を参照してください。

赤ちゃんが自分で洋服を選べるようにしましょう。我が家では1歳4ヵ月から、Tシャツ、ズボン、肌着、靴下を各4枚程度それぞれのかごに入れ、リビングに設置したオープンラックに置いています。着替えの時は、かごをひとつひとつ取り出し、「どのTシャツにする?」「どのズボンにする?」と聞いて1枚選んでもらいました。

靴下は好きなので、棚から出す前に自分から選びとってきていました。1歳半が近くなると靴下以外も自分で選び、自力で着ようとする姿が見られるようになりました。荒らすこともありますが、大した数ではないので、その都度かごに入れています。洗濯物をかごに入れてくれる時もあります。1歳半までに自分で選べる、片付けれられる環境を整えるといいと思います。
参考:お片付けが簡単!無印でモンテッソーリ風おもちゃ棚と衣類収納

1歳を過ぎると水遊びが本格的にできるようになってきます。夏が近くなると80センチや90センチのかわいいものは売り切れてしまうので、水着は春のうちに購入しましょう。屋外で長時間水遊びをするのは紫外線が強いのでおすすめできませんが、必要であればラッシュガードも一緒に買っておくようにしましょう。
おすすめの水着は別の記事で捕捉します。

9.テレビ・スマホ・DVDなどスクリーン関係

引き続き基本的には見せない。

10.授乳、カンガルーケア、語りかけ

授乳(続けていれば)、カンガルーケア(抱っこ)も引き続き重要です。

(参考)
母乳育児のメリットを最大化するコミュニケーション型授乳
カンガルーケアは赤ちゃんの脳の発達を促だけでなく、お母さんもハッピーな気持ちになる